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伝統漁法 "エリ" - 琵琶湖

風が吹けば魚がとれる?!

古来より琵琶湖ではエリ漁(小型定置網漁業)が盛んに操業されています。興味深いことに,日々の操業で積み重ねられた経験則には風と豊漁・不漁にまつわる伝承が多数存在しています。なぜ,漁場に吹く風が漁獲の多寡に結びつくのでしょうか?私たちは風のもたらす吹送流,冷水塊の進入等が魚の空間的な分布に影響しているのではないかと着眼して研究を進めています。

参考論文
  • 山根 猛,松田征也. 21 世紀の琵琶湖-琵琶湖の環境史解明-漁業者の伝承,自然史的背景. 月刊地球 2001; 23: 426-431.
  • T. Yamane, M. Matsuda and T. Hiraishi. Influence of current profile on the capture process of a set net. Fish. Sci. (Suppl. I), 2002; 68: 471-472.

漁具周辺の魚の行動モニタリング

エリ周辺の魚の行動をバイオテレメトリーで測定し,風・流れ・水温などの漁場環境と行動の関係を調べています。

また,近年生息数の減少が懸念されているニゴロブナやゲンゴロウブナの行動モニタリングも行っています。これまでオオクチバス(2002年),コイ(2003〜2007年),ブルーギル(2004年),ギンブナ(2004年〜),ニゴロブナ(2006年〜),ゲンゴロウブナ(2004年,2007年〜)を追跡してきました。

参考論文
  • Y. Mitsunaga, S. Kawai, K. Komeyama, M. Matsuda and T. Yamane. Habitat utilization of largemouth bass around the set net. Fish. Engng., Vol. 41, pp. 251-255 (2005).
  • K. Komeyama, Y. Mitsunaga, T. Yamane and M. Matsuda. The infludence of water temperature on the appearance of common carp Cyprinus carpio around the set-net in south basin of Lake Biwa. Fish. Engng. 44, pp. 113-118 (2007).
  • 米山和良,光永靖,松田征也,平石智徳,國宗義雄,山根猛.琵琶湖南湖における超音波テレメトリーを用いたニゴロブナ成魚の行動測定,日本水産学会誌, Vol. 74(5), pp. 864-866 (2008).

魚の来遊に影響する環境要因の評価

漁具周辺における魚の出現にはどのような漁場環境が関係し,それらがどのくらい影響しているのかを評価するために遺伝的アルゴリズムを用いた多変量解析を行っています。

参考論文
  • 米山和良,鈴木勝也,木力,山根猛,光永靖,平石智徳.遺伝的アルゴリズムを用いた琵琶湖におけるコイの集散に関わる環境要因の評価 数理水産科学, Vol. 5, pp. 16-26 (2007).
  • K. Komeyama, K. Suzuki, T. Takagi, Y. Mitsunaga, T. Yamane and T. Hiraishi. Factors that influencing the occurrence of fish near set-nets: analysis using a genetic algorithm, Fish. Manage. Ecol. Vol. 15, pp. 347-355 (2008).

琵琶湖南湖における急激な水温低下が魚の行動に与える影響

エリの漁獲量やバイオテレメトリーの行動情報を解析することで,夏季に琵琶湖南湖で発生する水温低下現象(鉛直混合)が魚の行動にどの程度影響しているのかを調べています。

未発表…現在調査中

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